"消えない"ゴミは、こんなにも自然を狂わせている。名優ジェレミーが案内人を務めるドキュメンタリー映画『TRASHED-ゴミ地球の代償-』(part 1)

“消えない”ゴミは、こんなにも自然を狂わせている。名優ジェレミーが案内人を務めるドキュメンタリー映画『TRASHED-ゴミ地球の代償-』(part 1)

先日、東京都小平で開かれた市民上映会に行ってまいりました!想像以上の人が劇場に訪れ、終わった後の会話の中からも人々の関心の高さが伝わってきました。上映された作品は、人間が作った”消えない”ゴミの行く末と深刻な環境問題を訴えるドキュメンタリー映画『TRASHED-ゴミ地球の代償-』です。

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この作品は、2012年に開催された第25回東京国際映画祭でTOYOTA審査員特別賞を受賞しています。冒頭、宇宙から見た美しい地球の姿から一転、「人間の消費が招いた結果」というナレーションに続き世界各国のゴミ問題に寄っていきます。深海で生物よりゴミが多く見つかったと語る識者の言葉、罪悪感で押しつぶされそうな量のゴミ山と有害物質を吐き出す焼却炉。見た人誰もが、地球の未来を考えさせられる映像となっています。

案内人を務める俳優ジェレミー・アイアンズがレバノン、イギリス、フランス、インドネシア、ベトナム、アメリカなど世界各地を訪れ、ゴミ処理にまつわる過酷な現状を取材していきます。膨大な量のゴミの山が自然を汚染していく映像の数々。スクリーンに映る状況には、初めて聞く情報がたくさんでした。この上の写真にあるように、映画の序盤でジェレミーはなにかに腰をかけて座っているのですが、広域の映像の中ではまるで「ウォーリーを探せ」のように、どこにジェレミーの姿がいるかパッとわからず、ゴミが多く積まれていました。

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【気がついたら、ゴミ山になっていた】

日本から15時間ほど離れた中東にあるレバノン。古都サイドンのはずれには「もともと平坦な砂浜だった」が嘘のように、うず高く積み上げられたゴミ山があります。そこには家庭ゴミや有害産業廃棄物、注射針などの医療器具、動物の死骸などが数十年に渡り無計画に積み重ねられ、毎日約80トンのゴミが放棄されています。土壌や海水に汚れた液体が染み出し、その影響は海を通じて他の国々にまで伝わっていく。流れ、流れ、たどり着いてみればそこでは普通に体を洗ったり洗濯したり生活水源として使われているのと同時に、その川にゴミを投棄している習慣がありました。もう、ぐちゃぐちゃなんです。 

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【埋め立て地も、焼却炉も足りない】

さらに、世界の埋立地、焼却炉の事情はかなり深刻。

どんどんと人口が増加し、生活ごみの90%以上を埋立処理している中国・北京では、埋立地はもう飽和状態。政府は焼却炉の建設を進め処理能力の向上を図っていますが、実際はこれを上回るペースでゴミの量が増加しています。また今年の春には「散水車」を使って、数十年前から毎晩約200トンの汚水を埋立地から公道に垂れ流していたというニュースがあったこともあり、不法投棄が横行していく北京の街はもう悲鳴をあげています。

アメリカ・ニューヨークでは、1日に20トントレーラー550台分が必要なほどのゴミが…。毎日遠い埋立地まで運ぶのに長い列をなして渋滞と大気汚染を引き起こしてしまいます。

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そして最後に日本。わたしたちは国土が狭いため多くの埋立地を持っていません。その代わりに焼却炉の数はなんと世界一の 約1500施設!初めて聞いた時には耳を疑うほどの数字です。アメリカ168、フランス100、ドイツ&イタリア51、イギリス7という数字に対して、こんなに小さな国に世界中の焼却炉の7割以上が設置されているのですから。案内人のジェレミーはアイスランドにあるイーサフィヨルズゥルの町を訪れ、焼却炉の抱える現状を目の当たりにしました。

続く。